我が家のトイレットペーパーが、シングルからダブルに変わった話。

コメ男と男爵 家族
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ある日トイレに入ったら、いつもはシングルのトイレットペーパーがダブルになっていた。
しかも、ファイターズロゴプリント入り。
わたしは一瞬固まって、ものすごい違和感を覚えながら用を足し、トイレを出た。

もともと、わたしの実家はダブル派であった。

夫と一緒に暮らしはじめの頃、シングル派の夫と争ったことがある。
それに敗北して今まで15年、ずっとシングルのトイレットペーパーを使ってきたというのに。

なぜ。

今になって何故。

なんとはなしに、買い出し担当の夫にすぐに理由を聞くことができないまま、数日が過ぎた。


ところで、わたしは今年に入って激動を迎えている。

何年も付き合いがあった発達障害当事者会の友人と決裂し、つい最近は短い付き合いではあったがかなり仲の良かった人を、半ば放り出すようにして関係を断った。

そして、これまでずっと金銭関係のもつれで関係の悪かった実家が生活保護を受け始めた。
金の話抜きで、やっと落ち着いて話せるようになった。

数少ない大事な友人を二人も失って、多分家族を取り戻した。

それで良かったのかは分からないけれど、とにかくそういう流れと相成ってしまったわけだ。

以前は家族が、決裂前は友人が、わたしを傷つけないがしろにし、ズタボロにした。
そしてわたしも、家族と友人を切り裂いていた。

相性、相性は存在すると思う。

家族やその決裂した友人とわたしは、基本的な相性がとても合わなかったんだろう。

お互いの存在が「悪い」わけでも「価値がない」わけでもなく、ただただお互いの尖った部分で、お互いの弱い部分を攻撃してしまう間柄だったんだと思う。


トイレットペーパーの話に戻ると。

今朝、やっと買い出し担当の夫に「なぜいきなりダブルに変えたのか?」と聞くことができた。

「安売りしてたのとファイターズが好きだから、ダブルって気づかずに買っちまったんだよ」だって。

それを聞くまで、わたしはここ数日物も食べられずエネルギーチャージゼリーで生きながらえているわたしのために、15年越しに自らの主張を変えて(!)、ダブルにしてくれたのだろうか、とか。

もしかしてつい先日義理の実家に夫と息子だけが帰省中だった時に持たされたのだろうかとか。

他にも詮無きことを考えたりしていたわけだ。

結果は、「ただの間違い」。

そりゃそうだよね、はっきり言って忘れやすくて人の話を聞いていない夫が、15年前にわたしと「仁義なきシングル×ダブル抗争」を繰り広げたことを覚えているわけがない。

がっかりもしなかったし、なるほど間違いね、と納得した。

人は人の気持も行動の理由も、わからない。

それでいいのだ。
だから言葉があるんだ。

わたしは発達障害(自閉スペクトラム症とADHD)と診断されている。

おそらく一般的な人より余計、人の気持ちがわからない。

わからないものを想像して失敗することが多いから聞く。

そこで教えてもらえなければ、それまでだ。

ほんとうにそれまでなんだ。


一昨日と昨日と、関係が復活した姉と姪っ子と、電話で話をしていた。

これまでの記事でも少し書いてきたが、わたしの家庭は過酷な環境だった。
母のアルコール中毒、育児放棄、暴言。父の無関心、金銭的な苦労。
自分ではそれが普通の環境だったから、学生時代の友人の円満な家庭を見て心からびっくりしたものだ。

「ホームドラマがここに存在する!!!」

ちなみにトイレットペーパーネタに戻るが、友人の家にお邪魔した時に冷蔵庫の上にストックされていたキッチンペーパーを「どうしてこんなところにトイレットペーパーが?」と聞いて恥をかいた。

そこからは自分の境遇がしんどいということに気づき、気づいたことにより余計しんどくなり、成人して自立できそうになったと同時に家を出た。

それからもう20年経っても、結婚して子供ももうけて暮らしていても、心から安心することができなかった。

人は自分を傷つけてくるもの。
自分は本心を見せてはならない。

カウンセリングを受け始めて1年半ちょっと、それが少しずつ成仏していったんだと思う。


姉は母と暮らしているから、まだ苦しいさなかにいるのかと想像する。

そんな姉は、姪っ子の進路に対して母と同じように「そんなのできっこない」という呪いと、自分が叶えられなかった夢に強引に進めようとする呪いを、とても強力に長期間に渡ってかけ続けていた。

わたしは、こう思う。

 

恐ろしいことに、呪いを受けて育ったわたしたちは、強力な呪いを与えることができる魔女になってしまった。

子供へ与える言葉一つ一つで、重く縛り付け、がんじがらめにする方法を知ってしまっている。

 

anetonokaiwa

何十年も解けることのない呪いを、自分の子供に受け継がせるわけにはいかない。

そしてわたしたちも、今がたとえしんどくて仕方なくても、幸せになっていけるということ。

姉は体を壊しているのに、「私も頑張るから!」と言っていた。

「わたしたちは、自分を大事にすることがとても下手だ」

「仕事をしていないと、お金を稼いでいないと、自分に価値がないと思ってしまうことはとても良くわかる」

「でも、価値がないんじゃない。幸せになったっていい。何歳になったとしても、この先幸せになることはできるんだ」

「まずは自分を大事にすること。それを頑張ろう」

「そこを、まず、頑張ろう」


わたしは8月はじめ、何を失って何を得たのだろうか。

とりあえずは夫が冷蔵庫にストックしてくれた食品に少しの愛を感じた。

今日もこれから息子と二人、冷凍食品でも食べて、なんとか習い事に行って、仕事は休んでのんびり回復していこうと思う。

ちょっとだけ、ダブルのトイレットペーパーに幸せを感じながらね。

最後に、もう交わることのない本当に大切な友人が、これから幸せになっていってくれることを、心から願って。

 

トイレットペーパーは、ダブルに限る。

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